ポルシェ356と共に生きる 17歳の時からの夢を叶えた人物の物語

Porsche AG

オーストラリア人のグレッグ・オキーフは、これまでの人生ほとんどをポルシェ356に捧げている。数えきれないほどの台数を所有してきたが、そのなかでもこの2台は特別なのだという。

オキーフはたばこをふかしながら、ゆっくりと言葉を発した。

「ポルシェ356だけでも50台以上は持ってきたね」と。彼が持つポルシェへの情熱は、356クーペで出勤していた彼のかつての教師から受けたものだという。

「はじめて目にした時、その完璧なシェイプの虜になったんだ。先生には、"君は一生ポルシェを持つことはできない"なんてこともいわれたよ」

学校での成績は決して良くなかったためだ。しかし、彼はポルシェを買うために資金集めを早くからはじめた。1971年、まだ17歳であったときにポルシェの中古パーツ販売をスタートし、はじめての1956年 356A クーペを手に入れたのだという。ひとまず夢が叶ったが、それこそがコレクションへの情熱を加速させることになった。

その後、クーペを売りにだして次の356である、コンバーチブルを購入した。16万キロを走らせたそうだ。空冷ポルシェを扱うビジネスはどんどんとうまくいき、買っては売ってというサイクルを毎月繰り返していた。スプリットウィンドウのクーペをはじめて見たのも1971年のことであったそうで、「ペールイエロ―で、あるコレクターの納屋に眠っていたんだ」と話す。



それは、ポルシェが3台のみ作った右ハンドルモデルのうちの1台で、1952年にドイツからオーストラリアに輸入された3台目のポルシェであった。「見た瞬間、手にしなければならないと思ったんだ」24年間にわたりオーナーにかけ合い、やっとの思いで購入させてもらったそうだ。「クーペはとても美しかった。エンジンもラジウムグリーンのカラーもオリジナルに戻した」

手にしてからというもの、運転していない時はメルボルンのガレージで大事に保管してある。メーターは12万キロを刻んでいる。「20年以上、ちゃんと走らせているからね」

ラジウムグリーンの隣にあるクーペは、はじめて製造された右ハンドルの356だ。シルバーグレーのコンバーチブルボディに、ブルーレザーのインテリアに仕上げられている。1951年7月にシュトゥットガルト工場から出荷され、オーストラリアのメルボルンにあるディーラーへ送られたそう。

つまり、彼は3台しかないモデルのうちの2台を所有しているということである。そして、たばこを取り出しながらこう言った。

「私はこのポルシェたちと夢を共にしているんだ」

クラシックポルシェ編集部

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