完璧にフルレストアされたテラコッタカラーのポルシェ356

この記事は、アウトローという選択│抑えのきいた傑作ポルシェに乗る!前編の続きです。

こうして、簡単な再塗装の予定は、すべてをベアメタルに戻すフルレストアへと変更された。結局、少し手をかける必要があったのはドアの底面とシルの1箇所だけで、それ以外のボディシェルは完璧な状態だった。同様にメカニカル面もよい状態だった。「フロントに新しいショックを付けたけれど、それで全部さ」とフィルはにっこりする。取り付けたのはリアに備えられていたのと同じビルシュタイン製だ。

記録によると、1958年にこの356Aクーペがファクトリーを出た際には、魅力的なマイセンブルーだった。

「純粋主義者ならそれを選んだだろうね」とフィルはいう。だが、彼には別の考えがあった。「以前に所有していた1959年の356Aはエトナ・ブルーだった。マイセンブルーと似た色だ。またしてもペールブルーのポルシェを所有する気にはなれなかった。その時代の356の色見本を見てみたら、ターキッシュレッドが目に留まった。でも数日後にインターネットを見ていて偶然このテラコッタを見つけた。1955 年の色だから、このクルマのモデルイヤーじゃない。でも、私はこれが気に入ったよ。大事なのはそこだよ」

ボディシェルをベアメタルに戻すと、まず色を合わせたエポキシ樹脂プライマーを塗り、もう一度プライマーを塗布する。これを研磨したら圧膜タイプのサーフェイサーを施して最後の研磨を行い、さらにプライマーを重ねる。ここでようやくテラコッタで塗装し、最後にクリアコートを重ねて深い輝きを出した。

「塗装してみたら抜群だった。組み上げ始めたときに、ブラックのラインを入れるアイデアが浮かび、さらにゴールドのデコレーションを加えることになった。特に気に入っているのが、ゴールドのボンネットハンドルだよ。アルマイト加工に見えるだろう。ナンバー灯のディテールもすごく気に入っている」

「アルミのブレーキドラムは磨き上げる予定だったけれど、それもゴールドに塗装することにした。黒のスチールホイールやホワイトレターのタイヤにすごく映えていると思う」

ホワイトレターは万人の好みではないかもしれない。だが、それがフィルのクルマを他の多くのアウトロー356とはひと味違うものにしている。また、まだホワイトレターのタイヤが登場したばかりだったホットロッドの草創期に敬意を示す意味もある。レーシングカーもタイヤのサイドウォールには必ず文字が入っていたものだ。

編集翻訳:伊東和彦(Mobi-curators Labo.) Transcreation: Kazuhiko ITO (Mobi-curators Labo.) 原文翻訳:木下 恵 Translation: Megumi KINOSHITA Words: Keith Seume Contact: Spikeʼs Vintage Restorations spikesvintagerestoration.com 

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