かわいらしい見た目に秘めたパワー│ポルシェが生んだ「サーシャ」とは?

公道で開催された歴史を持つ国際的なロードレースといえば、1906年にはじまったタルガ・フローリオが挙げられる。ポルシェはその場で勝利を獲得するため、速く俊敏なミドシップ・スポーツカーを精力的に開発していた。

数々のストーリーが生まれた伝説のロードレース、タルガ・フローリオでポルシェが残した偉大な伝統は、アウストロ・ダイムラー社向けに開発された「サーシャ」で始まった。スペース模様が描かれた小型で高性能コンパクトカーはもともと、4シーターモデルの試作車として製作されたものだったという。しかし、初出場した1922年に、エンジン排気量別に分けられたカテゴリーで、 1位と2位に輝く。見事な結果を残した要因は、車両重量わずか598kg という軽い車両の操縦性と、効率性に優れた燃料消費にあった。開発プロジェクトに資金を提供したファクトリーのオーナー、アレキサンダー “サーシャ“ コロラット伯爵の名を与えられたこの車両は、さまざまなレースで通算43勝を挙げるという輝かしい歴史を残したのだ。

Dr. フェルディナント・ポルシェも、モータースポーツに情熱を注いでいた人物のひとりである。厳しい条件の中で自らの設計の確かさをすべての人に示すための、格好の舞台となるからだと考えたためだ。そして、Dr. フェルディナントはこのサーシャでひとつの原理を追い求め、確立することを果たした。その原理とは、後にポルシェの生み出したあらゆるスポーツカーの特性となる、傑出したパワーウエイトレシオだ。

スペード模様が描かれていたサーシャへのオマージュとして、後に誕生する軽量マシン908にもそれが描かれることとなった。このサーシャは現在、ポルシェミュージアムにて保管されている。いつかイベントなどで、走っている姿を見ることができるかもしれない。

クラシックポルシェ編集部

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