ナローに964RS、930フラットノーズ…クラシックポルシェがサーキットで乗り放題?

Junichi OKUMURA

貴重なクラシックポルシェを借りて、サーキット走行をすることができる。そんな楽しそうなアクティビティを体験できるイベントが密かに始まっていることをご存知だろうか。

Inter-Up合同会社が主催する“Classic Porsche Premium Driving”では、まさに上述の夢が叶う場を提供している。第2回目の開催となったそのイベントに、クラシックポルシェ編集部はお邪魔した。


「おはようございます。前日まで全車両をしっかり調整しました。クルマが最後まで元気に動くことを祈って、一日楽しみましょう」と代表である倉田氏の挨拶で走行会イベントは幕を開けた。そのスピーチからも推測できるように、このイベントで参加者がハンドルを握るのはいわゆる空冷時代の911を主とした5モデルだ。誰でも気軽に、このすべてのモデルに乗って走行体験することができるのである。


1966年Porsche 911 初代911 通称ナローモデル


1987年Porsche 930 アメリカ仕様フラットノーズ


1989年Porsche 930 二代目911Speedster 930生産終了メモリアルモデル


1992年Porsche 964 RS 人気色ルビーストーンレッドの三代目911


2003年Porsche 996 五代目911


そもそもなぜこれほど豪華なポルシェのラインナップに乗ることができるイベントを始めようと思ったのか。それは代表の「集う場を提供したい」というポジティブな想いからはじまった。

もともと国産車やBMWに乗り、普段からクルマを趣味として楽しんでいた倉田氏。数年前まで、ポルシェに対しては特に特別な感情は抱いていなかったというが、1年ほど前、たまたま手にした996がポルシェにハマるきっかけになったそうだ。


「ポルシェはどんなものかと996を購入し、流して走っていたとき、実ははじめはピンとこなかったのです。しかし、いつかどこかの記事で読んだ“ブレーキを踏んであげることでハンドリングが発揮される”という文面を思い出し、実行してみたところ、操作性を実感したんです。ポルシェの楽しさにのめり込んでいきました。そこから調べ始めるとプロダクトだけでなく、ポルシェの思想そのものが面白いと感じて、すっかりハマってしまいました」と語ってくれた。

モデル末期の、普通のメーカーでは取り組まないであろうタイミングで特別モデルを展開する等、ポルシェがポルシェらしく刻んできたアイコニックな911の系統に魅力を感じたといい、すぐにショップへ相談。“歴史を体感するにふさわしいストーリーあるモデルたち”を探しはじめたという。

今回の車両はすべてそこから数カ月で手にしたポルシェたち。このポルシェを通して魅力を発信し、実際に集う事でコミュニティーを提供したいと考え、このようなイベントの実現に1年未満で至ったというから、その行動力には圧倒される。



筆者はこれまで、ポルシェ誌に携わりながらも自らハンドルを握った経験がなく、サーキットの走行も海外で助手席に乗ったことがあるだけだ。恥ずかしながら“憧れの初ポルシェ状態”だった私なので、人様の、しかもお値段の張るクルマをお借りするのには抵抗があった。



しかし、このイベントではプロレーサーでモータージャーナリストの丸山浩氏率いるWITH MEが運営サポートをしていることもあり、アドバイスや質問が気軽にできる環境。そしてペースカー先導でコース取りも問題なく、初心者にも安心な環境であったので、996の試乗を体験することにした。




安全装備のヘルメットとグループを装着し、運転席に乗り込むと、助手席や後部座席に乗り込むのとは違う高揚感を感じる。2003年996はATのティプトロニック車両。
今回はクラシック車両揃いのため、試乗のペースはゆったりと流す程度の速度だが、1回の走行枠で10分程度走ることができ、乗り比べるには人間にもクルマにも“丁度いい”時間に感じられた。



また、MT車の試乗に関してはポルシェ993を愛車として所有し、ポルシェセンター青山世田谷でクラシックパートナーの担当を務める筒井氏に、クルマごとに性能を引き出して走っていただくようお願いし、それに同乗させていただくことにした。





約10分ごとに休憩を入れながら乗り比べると、確実にポルシェの持つそれぞれの“個性”を感じることができた。爆発力あるターボの迫力を感じる加速やRSの持つ身軽さと気持ちの良いスピーディーさ、外から見てもわかるナローのしなやかな走りは実際に乗ることで体感し、納得できた。



ポルシェに乗ったことがない人はもちろんだが、今回おすすめしたいと感じたのは既にオーナーで、違う世代への乗り換えや増車を検討している方。人もクルマも飛び出してくる心配のないサーキットで、運転席に自分ひとり。ゆったりと年代別のポルシェと向き合える場所は他ではあまり提供されていないのではないだろうか。


イベントの最後には参加の記念として“サーティフィケーション”が一人一枚授与される。

今回の開催は11時~16時半の開催で、参加費用は30,000円(税別)。なお、次回以降の情報は、ホームページでお知らせしていくとのことなので、気になる方は随時確認してみていただきたい。

 

クラシックポルシェ編集部

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