歴代ポルシェを一気に試乗!ポルシェオーナーとしてそれぞれのモデルに感じたこと

Go!Carrera! 2020/01/31

Junichi OKUMURA

歴代ポルシェ各世代を短時間に連続で乗り比べできるという、イベントに参加した。詳しい開催内容は、こちらをご覧いただきたい。

クルマ屋さんか、個人ですべて所有しないと、歴代ポルシェを乗り比べるという体験はまずできないだろう。例えば、知り合いのクルマを借りてみたり、助手席に乗ってみたりなどは可能かもしれない。しかし、このイベントに用意されたラインナップに乗れるか、と言われれば“NO”だ。

私が試乗をした順番に各試乗車で感じたことを書いていきたい。
まずは、996型のカレラ。今回のラインアップで唯一のAT車で、水冷で後ろ足がマルチリンクだ。現代のポルシェ911の祖とも言えるクルマだろう。ちょうどこの一台を自分でドライブする前に、当日のイベントサポートを行っていた、"WithMe"の丸山浩氏の同乗体験をこの996型カレラで体験した。以前、997型のカレラを一年強所有していたそうで、素人の私たちでは、いけない領域のスピードレンジ、タイヤのグリップ感、コーナリングGを体験できた。



その後自分でもドライビングしてみたところ、ブレーキングでノーズダイブが大きい、フロントがものすごく路面をつかんでいて、フロントが中心でコーナーを曲がっている。空冷ポルシェにはこの感覚がない。水冷になってからだろう。空冷時代は後ろ中心で曲がっているような気がしている。実際タイヤのショルダー部の摩耗の仕方を見ても、この感覚が「その気」だけではないのかもしれないと感じる。話を996型のカレラに戻そう。

唯一の水冷でAT車だったので、正直964RSや930ターボなどの役物より期待値は低かったのは間違いないが、乗ってみたらびっくり。先ほどの前と後ろのフィーリング上の差はあれど、トラクションを生かした強烈な加速感は、まぎれもない911だ。

なおかつ、腕のあるドライバーが運転すれば、長時間、ハイペースでの走行が可能。今一番、市場価格がお手頃な911である996型だが、走りの面ではごく普通に911だ。入門としてもおすすめ。



次の試乗は、今回の目玉の964型のRSだ。964RSなど普通では乗れない、役物中の役物ポルシェであろう。現在の市場価値からもわかる通り、走りの面でかなり評価されているクルマだと想像できる。試乗を終えると、私もニヤニヤが止まらなかった。パワーがちょうどいい。もしパワーがありすぎても踏むのを我慢する、タメが必要になるまたは、電子制御に抑えられてしまうだろう。



また、ブレーキが踏めば踏んだだけ効く。離せばしっかりそういう動きをする。ステアリングも操作すればしただけ動く、余計な動きがほとんどない。このことが、運転が楽しい、に繋がり今の市場価値に反映されているのだと感じた。私も購入できる身分になれば、ぜひ購入したいと思う一台だ。

次の試乗は、930ターボフラットノーズ。フラットノーズは普通のTurbo3.3よりもパワーが出ている330馬力仕様だ。また、この車体には、ヨコハマタイヤが最近復刻したポルシェ承認タイヤA-008Pが装着されていた。



このタイヤがもたらしたものだろうと、私は感じた部分が一つ。低速時のステアリング操作に必要な力が少なくて済むような感覚があった。だからといって、希薄なわけではない。私が、普段乗っているカレラよりも軽いと感じた。スペックありきで話をするのはあまり好きじゃないが、330馬力のパワーは半端ではなかった。300馬力台のポルシェで私が体験したことのある中では一番パンチがあった。ノーマルの3.3 turboに比べ、下からトルクを感じた。比較すると500rpmくらい、下から猛烈な加速が始まる感じだ。ポルシェのファクトリーチューンの凄さを思い知った。

次の試乗は、930スピードスターターボルック。スピードスターは1989年式で、私の愛車と同年式で、エンジンミッションも同じ。足回りがターボのパーツになっていることと屋根が無いのが大きな違い。まずブレーキ。やはりターボのブレーキはガシッと掴んで減速する感覚がある。カレラのブレーキとは比べ物にならない安心感がある。ちなみに私のカレラはブレーキ周りに関して、OHを行い、マスターバック以外は手を入れた状態だ。周りの同年式のポルシェより状態で言えば、かなりのアドバンテージがあるはずだ。



その上を軽くいくあたり、ターボのブレーキシステムのベースが高い。屋根がないとやはり重心が下がる。それと、ワイドトレッド。これが効いてか、路面をべったり張り付く感じ。これが、重いと感じるか、安心感があると感じるかは人それぞれ好みが分かれるだろう。加速、パワーに関しては、私のカレラと同じ。特に速い!という感じはない。普段は屋根を開けてゆるりと。時々鞭を打つと面白い。そんなクルマだ。


最後の試乗は、ナロー。それも初期型のSWBだ。ナローは今まで購入検討していた時期もあったので、数台経験がある。いずれも、2.4リッターエンジンだったので、初期の2リッターは初の体験になった。ここまでいわゆる役物ポルシェを乗ってきてしまったので、比較するのも忍びないが、正直パワーもないし、全体的に操作に対する反応や感じる情報がやんわりというか、ゆるいと感じた。



それでも、加速時の姿勢はポルシェそのもの。53年以上前の車なんだから当たり前だと思われるだろうが、今まで乗る機会を得た2.4リッターの後期型のナローポルシェは、どれも速かった。私の感覚になってしまうが、この頃の911は356から脱皮をしている途中だったのと思う。それが数年の間に、2.4リッターまで排気量を上げ、他のハイパワースポーツカーとはれるスポーツカーになったのだと。公開中の映画『フォード vs フェラーリ』の時代は、まだポルシェは小排気量車のスポーツカーメーカーだった。

それが、ナローポルシェから、ビッグバンパーへ世代が変わろうとする頃に、ル・マンを制覇し、正真正銘のスポーツカーメーカーになった。その頃の成長というか、ヒストリーを感じることができた。また、最後に15分ほど自分のクルマでフリー走行もすることができた。これだけのクルマを、連続で乗れる機会はそうない。その最後の締めに、自分のポルシェで走行することができると、よりそれぞれの良さや特徴を感じることができるだろう。



自分のポルシェが自分の定規、基準とするのは、オーナーとして当たり前だと思う。この内容を一日の中で体験すれば、あまりクラシックなポルシェに触れたことがない方でも、それぞれの特徴を語ることができるようになるのでは?貴重な体験となるだろう。

次回も開催される予定とのことなので、ぜひ参加してみてほしい。

Words: Go ! Carrera !

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