80代でも毎日クラシックポルシェを楽しむ!所有する「ポルシェ・スペシャル」とは?

1940年代末~50年代初頭、ドイツの実業家でアマチュア・レーシングドライバーのワルター・グルックラーが少数のレーシングカーを自作した。それがポルシェ550の開発に影響を与えたといわれている。カリフォルニアのハーブ・ワイサードを訪ね、グルックラーが造った3台目の〝ポルシェ・スペシャル〞の秘密を探った。

引退したらのんびりするのが楽しみという人もいるが、カリフォルニアに住むハーブ・ワイサードは違う。80代でありながら、今も不動産業で忙しく働く傍ら、所有する数台のヴィンテージ・ポルシェをドライブして楽しんでいる。
 
子どもの頃に自動車の虜になり、運転免許を取ると、様々なアメリカ車(ホットロッドも5台ほど)を乗り継いだ。ヨーロッパ車の魅力に目覚めたのは少しあとのことだ。モータースポーツにも心を奪われ、1970年代末~80年代には本格的なレーシングチームを所有するに至った。ワイサードというチーム名を覚えているインディのファンもいるだろう。ドライバーにはデレック・デイリー、ジョニー・パーソンズのほか、ポルシェを駆ってル・マンで3勝を挙げたハーリー・ヘイウッドもいた。
 
サーキットを後にした今、ハーブの関心は公道走行可能な3台のクラシック・ポルシェに向けられている。いずれも平凡な車ではない。1台目は、希少な1957年356A 1500 GS-GTカレラのサンルーフモデルだ。もう何年も頻繁に使用しており、2007年にはフランスのクラシックカーラリー、ツール・オートにも出走した。もう1台は、なんと公道を走行できるプロトタイプだ。オーストラリアのクラフトヴァークスが少数製造したもので、ル・マンで初勝利を飾ったポルシェ917の正確なレプリカである。ハーブは献身的な妻のローズと共に、よく地元のフリーウェイを917でクルーズし、往復4時間をかけてパームスプリングスのコンクール・デ・レガンスに出掛けたりもする。


 
この2台も素晴らしいが、今回の訪問の目的はもう1台の輝かしいスポーツカー、1952年グルックラー・ポルシェである。ハーブが10年前に購入したこのシルバーのロードスターは、多くの人が思う以上にポルシェとのゆかりが深く、歴史的に貴重な1台だ。製作したのはドイツの実業家、ワルター・グルックラー(1908~1988年)である。グルックラーは1948~54年に6台の"ポルシェ・スペシャル"を造り、そのいずれもがレースで活躍して歴史に名を残している。

編集翻訳:伊東和彦(Mobi-curators Labo.) Transcreation: Kazuhiko ITO (Mobi-curators Labo.) 原文翻訳:木下 恵 Translation: Megumi KINOSHITA Words & Photography:Stephan Szantai Vintage photos courtesy:Herb Wysard

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