ル・マン24時間ではじめて優勝した時のこと│脳裏に浮かんできた記憶とは?

24時間は 86400秒。しかし、“ル・マン24時間”という場ではそれ以上の何かを感じることができる。忘れることのない、歴史的な瞬間が起こるのだ。小さなエピソードから大きなサクセスストーリーまで、十人十色、喜びや悲しみの感情が24時間の中で交錯する。ル・マン 24時間が開催される時は、いつの時代もレースに魅了された観客一人一人の情熱がひとつとなり、会場を包み込む。そんな瞬間を間近で見て、感じてきた関係者が語るル・マンでの武勇伝をご紹介。


ジィズ・ヴァン・レネップ オランダ出身レーシングドライバー 2度ル・マン優勝

□ 1972年 はじめての総合優勝
「はじめてル・マンで総合優勝を獲得した瞬間のことは忘れることができません。当時、ヘル ムート・マルコと私はポルシェ917ショートテールを操っていたのですが、マシンに超軽量のマグネシウム製スペースフレームが採用されていたことをレース後に知らされました。新しい仕様のマシンにドライバーが神経質にならないよう、クルーたちの配慮だったのかもしれないです。

ル・マンは特別で、熱気が常に溢れかえっています。そんな最高の舞台で優勝を飾ったレースの思い出は、忘れられません。1971年のレースでは、優勝した瞬間にあるシーンが脳裏に浮かび上がって来ました。それは深夜のスティントで、ユノディエールの高速ストレートを時速 350km で走っていた時のことです。目の前に突然炎が飛び込んできました。サーキットに流れ出たガソリンに引火したのだと思います。事故の直後、炎に包まれた格下クラスのマシーンはすでにコース左端に停車しており、幸いにもその時はデッドヒートするライバルも周回遅れの車両の姿もありませんでした。イエローフラッグが振られるとすぐに徐行運転をし、事故現場を左手に見過ごしながら事態は事なきをえました」

クラシックポルシェ編集部

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