アメリカでも最大規模のヴィンテージポルシェ専門レストアショップを訪ねて

約35人のスタッフを抱えるCPRクラシックは、アメリカでも最大規模を誇るヴィンテージポルシェのスペシャリストだ。カリフォルニアの施設を訪問し、成長の秘密を探った。

カリフォルニア州フォールブルックは風光明媚な地方都市だ。そのインダストリアル通り501を訪ねると、フレンドリーなスタッフと20数台のポルシェに迎えられる。1990年代以前のモデルが中心で、すべて販売中だ。ここがCPRクラシックのショールームである。
 
圧巻の光景だが、これは氷山の一角に過ぎない。数百メートルも歩くとレストアを行う施設があり、さらに70台ものクラシックポルシェが待ち受ける。
 
そこでは、バラバラに分解されたものから、納車を待つばかりのものまで、様々な段階のプロジェクトが進行中だ。ショールームとレストアの施設を合わせると敷地総面積は470㎡に及ぶ。1メーカーに特化した会社とは思えない規模だ。


 
ここまでの道のりは紆余曲折だった。ブライアカン・ドハティが兄弟と共にCPRクラシック(CPRはカリフォルニア・ポルシェ・レストレーションの略)を創業したのは1977年のことだ。ロサンゼルス近郊のマンハッタンビーチで、独立したポルシェのサービスセンターとして立ち上げた。1970 年代には356や911に関心を持つレストアラーはおらず、一般的な修理やメンテナンスが主な仕事だった。
 
会社は順調に成長し、気がつけばワークショップはクルマで埋め尽くされて今にもはち切れんばかりになっていた。もっと広い施設を借りるにも、大西洋に面したマンハッタンビーチでは高くつく。そこで1990年代初頭に、南部サンディエゴにほど近いフォールブルックへの移転を決めた。
 
その後も顧客は増え続け、2007年に数マイル先の工業団地に再び移転した。そしてどうなったかというと、なんとまたしてもスペースが足りなくなり、隣接する建物を買い取ってさらに拡張したのである。
 


結果として現在の施設は独特のレイアウトを取るに至った。ひとつの広い施設ではなく、複数のワークショップに分かれているのを見て、驚く訪問者もいるだろう。やむを得ない事情から生まれたこのレイアウトがCPRクラシックでは功を奏している。数棟の建物に収まる各ユニットで特定の仕事を集中的に行うことができるからだ。分解、板金修理、ボディのレストア、塗装の下準備、下地処理、塗装、めっき、ギアボックスの修理など、あらゆる作業が敷地内で行われている。
 
イングリッシュホイールといった伝統的な道具に加えて、ポルシェのファクトリーで目にするようなスポット溶接機も使われている。ある建物は、356と911の最終仕上げを専門に行うブースを収める。その位置は、埃や砂が舞い上がる区画から遠く離れた場所だ。


エンジンの組立は?・・・次回へ続く

編集翻訳:伊東和彦(Mobi-curators Labo.) Transcreation: Kazuhiko ITO (Mobi-curators Labo.) 原文翻訳:木下 恵 Translation: Megumi KINOSHITA Words and Photography: Stephan Szantai

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