MTに迫る走りもできる!Tiptronicの魅力と走らせるコツ 後編

Yokohama Turbo 2020/05/05

特に暑い時期にスポーツ走行を楽しむのであれば、ターボS用のダクトやその類のダクトを装着した方が良いかもしれない。右側前方に位置するEGオイルクーラーの手前にATFクーラーがあるTiptronic搭載車は、MTに比べてEG油温が上昇しやすいと思う。本来であればブレーキ冷却用のダクトではあるが、そのまま装着すればオイルクーラー部への風量が増す。

前編はこちらへ→ Tiptronicの魅力はいかに?走りを楽しむために!前編

最新のPDKを搭載した現行911を運転して思ったことがある。機械や機器が発達して、ひたすらラクに上手く速く走れるのはとても良いことだ。それに使い方を間違えさえしなければ、安全に楽しめるのが一番良い。


比べて2〜30年前の時代の911カレラ、元祖スポーツATのTiptronicを搭載する964/993において、上記のような先進技術に当てはまるのは、現代においても世界最上級レベルとも言えるABSだけだ。それに加えて、クラッチ操作とアップシフト操作が省かれただけなのは、現行PDK搭載車となんら変わりはない。しかし、964/993のTiptronicは、8速とか10速スポーツATが当たり前の現代スポーツモデルに対して、たったの4速しか選択肢がない。


このブログを書いた時点で最新であった、991.2のカレラSとターボS。両車ともにPDK搭載車。ステアリングから手を離さずに、これでもかという程に楽しめると思う。最新の992を早く味わってみたい。

エンジンブレーキはさほど期待できないし、迫り来るタイトな曲率のコーナーに合わせるギアなどは皆無に等しい。

じゃあダメなのか。

それを検証したいが為に6速MTから乗り換えたのだから、そこが面白い。前編にも記したような、アタマを使うスポーツドライビングが待っている。多段変速車に比べてギアレシオとギア数にハンデがあるなら、「ポルシェ911」を使えばいい。これはポルシェ911なのだから!


Tiptronicの技術解説書を入手してみた。これに記されているTiptronicの全性能は、果たしてどれだけのオーナーに知れ渡っているのだろう?

964/993の最強兵器とも言える、他車に比べるとドン!と踏めるブレーキ。911ならでは、の他車に比べると素早く向きが変えられる短いホイールベースと、他車に比べるとドカンと加速できるトラクション性能。

これらを活かして、多段MTと4速ATの足し算引き算…もしかしたら掛け算割り算まで使えばいい。それにひとつのギアがロングならば、ステアリングとペダル操作だけで車両の姿勢変化を操って、それを楽しむチャンスなのは4速ターボと同じだ。


ロックアップポイントについての表。


こちらはスロットルペダルの開度による変速タイミングの違いについて。初期964〜最後期993までにいろいろとタイミング等が変更されているとは思うが、おおいに参考になった。


試しにスポーツ走行時に、敢えて上下シーケンシャル手動のMTモードではなく、Dレンジ入れっぱなしで走ってみる。これは車載のセンサーが横Gや加減速Gを感知して、予め用意された5つの変速タイミングのうち、最適なタイミングを選んでくれる、というTipの機能のひとつでステアリングを握ったまま、終始ABペダルに集中できる。


独立したケース内に収まるデフ。容量は小さく1リットルほどのオイルで満たされる。社外品で専用のヘリカル式LSDがあるが、装着する場合はこまめなオイル交換が必要かもしれない。

さらに3レンジや2レンジ固定で走ってみるとシフトポイントがあれこれ違って楽しめる。特にダウンシフトのタイミングが早まるのは助かる。もちろん、変速ショックを最小限に抑える為のブレーキングを併用する。だらだらと長い制動ではなく、メリハリのある短く強めのブレーキングを行えば、ちゃんと素早くダウンシフトしてくれるのには驚いた。おそらく、車載のGセンサーがきちんと強い減速Gを感知して最適なタイミングを選択してくれているのだろう。

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