「ナナサン」カレラを再評価する│その魅力の源はどこにあるのか

73カレラRSの人気は今なお衰えを見せていない。その魅力の源はどこにあるのか、探ってみることにした。

世界一有名なスポーツカーの大看板、ポルシェ911 の半世紀を超える歴史は、仕様変更とマイナーチェンジ、特別仕様追加の連続である。それゆえに"ベスト911"をめぐる議論はまず決着がつかないけれど、その中でも1973年のカレラRS2.7、いわゆる「ナナサン」のカレラは飛び抜けて特別であるということに異論を挟む人はいないはずだ。特に911が水冷エンジンに世代交代してからは、クラシックポルシェの中でも評価が急上昇し(当然値段も急上昇)、今ではまるで「聖杯」扱いである。

ナナサンカレラは911で初めてカレラのサブネームを使ったモデルで、RSの文字を冠するのも初めてだった。ちなみに釈迦に説法を承知で付け加えておくと、"カレラ(スペイン語でレースの意)"は1950年代にポルシェが活躍したメキシコの公道レース「カレラ・パナメリカーナ・メヒコ」が由来で、その後ポルシェと、ウォッチメーカーのホイヤーによって世の中に知れ渡った単語である。



356時代には2リッター 4カムの4気筒カレラ・エンジンを積んだ356カレラが既に存在し、904GTSも同様のカレラユニットを積んでいた。いっぽうRSは“レンシュポルト”を意味する記号で、ポルシェとは切っても切り離せないアルファベットだ。皆さんご存知のように、ポルシェは昔からスペシャルモデルビジネスが上手で、スタンダードシリーズに加えて、定期的に限定スペシャルモデルを送り出してきたが、モータースポーツへの流用を意図した特別仕様はいつの時代も人気を博してきた。

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