毎年刻まれていく旅の証│過酷な耐久レース ラ・カレラ・パナメリカーナを走る356B

メキシコの風景を楽しみながら、7日間で2000マイルのルートを走り抜ける、ラ・カレラ・パナメリカーナは最も過酷なレースのひとつ。

1950年代に誕生し、34年間の停止の後、1988年に復活した。未舗装の峠から長い峠、ハイウェイ、様々な道を天候も予測できない中でひたすら走っていく。過酷なレースではあるが、一度ゴールを果たした人は何度もまた挑戦したくなるものだ。現在は、ラ・カレラ・パナメリカーナ・メヒコと称してリバイバルイベントとして開催されている。

メキシコ連邦ハイウェイパトロールが道路をオープンにすると、レースカーが険しい山岳路に向け、30秒間のインターバル毎に全速力でスタートする。ルートブックには平均走行速度の記載がある。クラッシュが多発し、人々の怪我が絶えないイベントであるのだ。


 
クラス分けは、"パナメリカンカー"(1940年から1954年までのスポーツ、GT、市販セダン)があり、エンジンサイズと改造内容によってさらに分類される。車の外観は1950〜54年のレース時と同様でなくてはならないが、ディスクブレーキ、アルミ製ラジエター、12ボルト電源、電子式イグニッションなどの安全と信頼性を高める装備が必須とされる。

"ヒストリックカー"は、1955年から1965年までのスポーツ、GT、市販セダンで、年代/エンジンにより4つのカテゴリーに分かれる。そして最後にすこし例外的な"エキシビションカー"枠が用意されている。





そして、イエローのこの1962年 356Bも毎年イベントに参加している。ボディを見ればその歴史が分かるが、ずっと昔から恒例行事として参加しているのだ。356Bの手入れをしているカリフォルニアにあるベントン・パフォーマンスのオーナーであるジョン・ベントンは、「このようなクルマは、スピードウェイを走っているクルマでは決して見ることができない景色を知っています。おそらく世界中の356Bの中でも最も醜い一台ですが、ステッカーなどもすべて保存していくつもりです」と話している。



そして、毎年その歴史を刻んでいる356Bを駆っているオーナーは、“もうくたくただけど、こんな気分を味わえるものは他にないんだ”とラ・カレラ・パナメリカーナを走る快感を味わうのであった。


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